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材料加工学研究室
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材料加工学研究室

レーザ加工と化学反応の複合による加工の高度化

研究の目的

一般的なレーザ加工においてはレーザ加熱による材料表面の爆発的な溶融・飛散現象(レーザアブレーション)により材料を除去することで加工が進展します.この際に飛散した材料(デブリ)が加工部の周囲に付着したり,加工部表面に溶融・再凝固した層(加工変質層)が残留する問題があります.

レーザ加工の応用例の一つであるレーザダイシングは,素子や回路を形成したシリコンウェーハを賽の目状に切断してチップに切り分ける加工です.ダイシング後,1つ1つのチップは真空コレットにより吸着してピックアップされますが,その際にチップ表面にデブリが付着していると,デブリが突き刺さるようにしてチップを傷つけてしまうことがあります.また,加工変質層がチップの周囲に形成されていると,チップに曲げの力がかかった場合に破損しやすくなることがあります.

そこで本研究室ではシリコンを溶解できる溶液(エッチング液)中で材料を加工することで,発生したデブリを直ちに溶解して除去することに取り組んでいます.

研究内容

半導体材料である単結晶シリコンは水酸化カリウムのようなアルカリ溶液に腐食される性質があります.一方,シリコンを酸化させ酸化ケイ素とすると,シリコンそのものに比べ大幅にアルカリ溶液に溶解しにくくなります.そこで,水酸化カリウムに酸化剤として過酸化水素水を混合した溶液の中にシリコンを入れると,シリコンの表面に酸化皮膜が形成されて溶解されない状態になります.このシリコンにレーザ加工すると,水酸化カリウムによるシリコンの腐食速度は温度に大きく依存するため,レーザ光により加熱されて高温になり溶融・飛散したシリコンのみが腐食により除去されます.本研究室ではこの現象を利用して,シリコンをレーザ加工した際に生じる材料の飛散・再付着を抑制しながら穴あけや溝加工をすることに取り組んでいます.

図1.jpg

本加工法の原理

図3.png

本加工法であけた穴の走査電子顕微鏡像

穴周囲に飛散・再付着物が認められない

図2.jpg

本加工法で形成した深溝の走査電子顕微鏡像

溝周囲に飛散・再付着物が認められない

担当学生

  • 学部4年 梅田 雪麿
  • 学部4年 坂本 卓哉